熱帯夜に『グラン・ブルー』で涼しく。

TURBO2035

2011年07月20日 07:46




NHK・BSでたまたま放送していた『グラン・ブルー』を
つい最後まで観てしまった。

この映画を観るのは5、6回目くらいだろうか。

リュック・べッソン監督のベストを選べと言われれば、
『レオン』『ニキータ』を差し置いて
この映画が断然ナンバー1となります。

前に住んでたマンションの部屋に、
この映画の超特大のポスター(タテ2mでしかもフランス版)を
貼ってたくらいですから。

無呼吸で何mまで潜れるかというシンプルな競技を通じて、
驚異的な潜水能力を持ったダイバーである主人公ジャックと、
その恋人と、ライバルであるエンゾの3人の物語。

3人とも心に大きな喪失感を抱いています。

エンゾは新記録を出しながらも
結局は絶対にジャックには勝てないという現実に・・・。

恋人のジョアンナはジャックの喪失感が
自分の存在〈愛〉だけでは埋められないほど深いということに・・・。

ジャックの心の闇は、それこそ海の底のように深く大きく、
物語は彼が深く潜っていけば行くほど
その喪失感も深くなっていくという
二重構造になっています。

こう書くと、とても暗い映画のようですが、
全体的に不思議な透明感があり、
ファンタジー的な様相も呈しています。

その理由が、ポスターにも描かれている「イルカ」。
イルカは、ジャックの心の大きな拠り所となっており、
それは、哀しくも美しい、ジャックとイルカとの
ラストシーンへと繋がっていきます。

ジャック役を演じたジャン=マルク・バールは、
ピュアで鮮烈なこの役のイメージがあまりにも強すぎて、
この後良い作品、良い役に恵まれていません。

エンゾを演じるジャン・レノは、
この役で日本でも人気が高まり、
当時ウイスキーのCMにも出てました。

ちなみに、この映画の中の競技大会で
日本人のチームが出てきますが、
みんな同じの大きな日の丸がついた白いユニフォームを着て、
みんなクソ真面目に大きな掛け声をかけ、
潜水する前の深呼吸をしすぎて気絶するという
完全にギャグ的な扱いをされています。








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