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2011年08月14日

『ぼくのエリ 200歳の少女』ボカシの裏に隠された衝撃の真実

『ぼくのエリ 200歳の少女』ボカシの裏に隠された衝撃の真実

今回はネタばれしてますので、
この映画を観ようと思ってる方は
必ず観たあとに読んで下さい。

現在公開中の『モールス』の
リメイク元の作品とだけ広告で知って興味を持ち、
他には何の予備知識もなく今日観に行きました。
(『モールス』も未見でどんな映画かわかりませんでしたが)

タイトルとポスターからの印象だと、
ボーイ・ミーツ・ガール、
男の子の初恋物語みたいな感じですが、
ある意味それは正解で、そして
ある意味大きく裏切られます。

舞台はストックホルム郊外。
同じスウェーデン映画の『ミレニアム』シリーズのような
北欧独特の静謐で張り詰めたトーンの中、
12歳の少年オスカーのアパートの隣室にある日、
少女エリとその父親らしき男が引っ越して来て、
同じ頃、街では逆さ吊りで血を抜かれるという
残忍な殺人や不可解な失踪事件が起こり始めます。

離婚して母親と二人暮しのオスカーは
学校ではいじめられっ子で孤独です。

実はエリは12歳の少女の姿をしたヴァンパイアで、
お互いのことをまだ知らず孤独な二人は、
少しずつ、恐る恐る、魅かれ合っていきます。

オスカーにとってそれは恋であり、
エリは戸惑いながら「私が女の子じゃなくても?」と
何度も問いかけます。

そこで私たちは、その問いかけの意味を
彼女がヴァンパイアで200歳だからと
思い込んでしまいます。

日本語タイトルもそれを後押ししてます。

エリがヴァンパイアだと知った後、
オスカーはエリを自分の部屋に招き入れます。

血だらけのエリが着替えをしてるところを
オスカーが覗き見した場面で、
一瞬エリの局部のアップが映るのですが、
その三角部分にボカシが入ってます。

もちろん日本の映倫の規定で、少女の局部を出せるはずもなく、
それはそう理解して映画を観終わったのですが・・・。

家に帰ってネットで調べてみると、
原作では実は、

エリは男の子だった!

そのことを、ボカシで隠された部分

<去勢された傷痕>

を見て初めて、
オスカーも映画の観客も理解するのです。

(※「ぼくのエリ」で画像検索するとノーカットの写真が見れます)

このことを知るのと知らないとでは、
この映画に対する印象と
作品としての深さは大きく異なります。

日本の配給会社は、タイトルでミスリードし、
そんな重要な部分にボカシを入れてる以上、
最後にスーパーで説明するなりしないと、
この作品の価値は半減します。

そしてそれこそがこの作品の裏の部分、
ホモセクシャル(同性愛的)なイメージを
大きく浮かび上がらせるのです。


詩情豊かな風景や、
物哀しいけど心に響く音楽もいい。

残酷だけどなぜかすがすがしい
プールでのホラー的なラストもグッド。

DVDレンタルも出てるようなので、
もう一度再確認して、
ハリウッドリメイク版の『モールス』を観たいと思います。






















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Posted by TURBO2035 at 19:38│Comments(4)映画
この記事へのコメント
はじめましてm(_ _)m
お邪魔いたします。

あまりの驚きに、
思わずコメントしてしまいました。

知らなかった~(>_<)
Posted by ちいさなカレー屋さんちいさなカレー屋さん at 2011年08月18日 15:34
拙者も観ましたぜ
おもろかったかどうかも 忘れちまったけどね
Posted by BIG MEGANEBIG MEGANE at 2011年08月28日 12:06
去勢なんですか?
横向きについている女性器=バケモノ ということかと思いました。
Posted by gdn at 2013年08月28日 04:53
どうでもいいけど、
「見れます」
じゃなくて
「見られます」
だろ。
ら抜きすんなよ。
Posted by m at 2014年01月30日 22:23
 
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