2011年11月26日
下半期・映画タイトル考 その1

今年もあと1ヵ月あまりで終わろうとしてますが、
この下半期にいろいろと映画を観てきて感じるのは、
いい日本語タイトルを付ける能力が著しく低下してるのではないか、
ということです。
おそらく日本の配給会社が考えてるのでしょうが、
適当というか、素人というか、余りにも残念なタイトルもあって、
それによって損してる映画もかなりあります。
そこで、この下半期に観たいくつかの映画を、
その日本語タイトルを通じて寸評してみたいと思います。
『復讐捜査線』
なんだこのB級アクション刑事ドラマみたいなタイトルは。
主演があのメル・ギブソンだというのに・・・。
娘を殺された刑事が復讐の鬼となって犯人を追及していくうちに
巨悪を暴く結果になるというサスペンス。
残念ながらその巨悪に間抜けな部分があり、
メル・ギブソンもシワだらけになって歳とったなあ、という印象。
『ぼくのエリ 200歳の少女』
いい映画なのにタイトルでミスリードしていて、
観た後に真相を知ってがっかりのタイトル。
詳しくは8月14日のこのブログを参照して下さい。
『ツリー・オブ・ライフ』
これは原題通りのタイトルだが、全然ピンとこない。
ブラピ、ショーン・ペン主演で、カンヌ映画祭のパルムドール受賞作、
そして予告編の映像のすばらしさに惹かれて観たが、
うーーーーーん、内容は難解、退屈、宗教的、哲学的・・・。
観た後ネットで調べてみると、
「The Tree of Life(命の木)」は、旧約聖書の中の、
エデンの園の中央に植えられた2本の木の一つで、
アダムとイヴがその禁断の果実を食べて
エデンの園を追放されたのは有名な「知恵の木」です。
とありました。
キリスト教社会では誰もが知ってる有名な木なのでしょうか。
おそらく日本人の多くはタイトルも内容もピンとこない映画です。
『未来を生きる君たちへ』
こんな啓蒙的、教育的なタイトルで、デンマーク・スウェーデン合作映画。
普通なら観ません。
しかし、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の
外国語映画賞のW受賞作品と聞けば観ないわけにはいきません。
アフリカの難民キャンプでの暴力、学校でのいじめ、家族間のいさかい、
一つの家族を通じてそれらを同列に描きながら、
復讐と赦しの狭間で揺れ動く人間の感情をうまく表現しています。
ラストに救いと希望があるのでこういう邦題を考えたのでしょうが、
少々重い内容からすると、
あまりうまいタイトルとは思えません。
原題はデンマーク語で「HAEVNEN(ヘフネン)」、
意味はずばり「復讐」です。
2011年11月09日
『花とアリス』 蒼井優のバレエシーンに胸を熱くする

中高生の女の子に絶対に観てほしい、
同世代の女の子を描いた傑作映画が何本かあります。
中学生だったら、『転校生』(1982) 『台風クラブ』(1985)、
高校生だったら、『櫻の園』(1990) 『バウンス ko GALS』(1997)。
その中でも一番のおすすめはこの『花とアリス』(2004)です。
最近WOWOWで放送され、
偶然その最後のクライマックスシーンを何年かぶりに観ました。
蒼井優演じる高校生のアリスが、雑誌モデルのオーディションを受けます。
モデルクラブに所属する彼女は自分をうまくアピールできず、
何度もオーディションに落ち続けてます。
あまりやる気の無いカメラマンはプロフィールを見て
「バレエ、踊れんの?」
「はい」
「じゃあ踊ってみてよ」
「あのう、ちゃんと踊ってもいいですか?」
初めて自分をアピールしようと意を決した彼女は、
とっさに紙コップと白いガムテープでトウシューズを作り、
制服姿のまま静かに踊り始めます。
それからの約5分間、
そのカメラマンも、最初は無視していたアシスタントたちも、クライアントらしき男も、
そしてこの映画を観ている私たちも、
彼女の踊りに眼が釘付けになります。

美しさ、力強さ、切なさ、はかなさ、そのすべてが表現され、
少しの揺るぎも無い彼女の踊りは、
岩井俊二監督の完璧なカメラワーク、照明、編集、音楽によって、
映画史に残るバレエシーンとなっています。
そして蒼井優という女優の凄さを、
初めて認識したのもこの映画、このシーンでした。
2011年10月11日
なでしこ澤+猿の惑星=?
前回、猿の惑星のCMに
なでしこの澤が出てることについて
触れましたが、
試しに
「澤穂希 猿の惑星」で画像検索してみると、
なぜか、

港川原人が出てきます。
意外な所で沖縄とのつながりが見つかりました。
なでしこの澤が出てることについて
触れましたが、
試しに
「澤穂希 猿の惑星」で画像検索してみると、
なぜか、

港川原人が出てきます。
意外な所で沖縄とのつながりが見つかりました。
2011年10月10日
CG猿の出来栄えは?『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』

確かにCGの猿の動きや表情はリアルです。
しかし、同じCGでも恐竜やゴラムやアバターと違って、
実在の生物を表現する場合はやはり
ハードルがグンと高くなり、
ちょっと違和感を感じる部分がありました。
その辺が気になるかならないかが、
この猿に感情移入できるかできないかの
分かれ目でしょう。
ストーリーは・・・
残念ながら大筋は予告編通りです。
チンパンジーにアルツハイマー病の新薬を投薬したら
知能が高くなって大勢の猿仲間を引き連れて逃げ出し
それを阻止しようとする人間と衝突して・・・
その前提となる新薬が、
猿には知能を高くするが、
人間には死に至る伝染病となる・・・では
ちょっと都合が良すぎます。
しかし旧作に繋げる方法としては、
核戦争よりはリアリティがあるでしょう。
それで旧作を見直そうと色々調べてたら
DVDのパッケージを見て驚きました。

最後の大オチを堂々とネタばらししてます。
それと今テレビで
この『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』のCMを
なでしこの澤穂希を使ってやってますが、
どうしても宣伝部の悪意を感じてしまいます。
考えすぎでしょうか。
2011年09月28日
スゴい!圧倒的!『ワイルド・スピード MEGA MAX』

先週・金曜の先行上映の初回に行ってきましたが、
いやースゴかった!
世界中で大ヒットし興収も6億ドル突破というのも納得の、
迫力満点!スリル満点!スカッと爽快!ストレス解消!
掛け値なしのシリーズ最高傑作の大興奮ムービーでした。
冒頭の囚人護送車からの、主人公であるドミニク奪還場面、
そして列車強盗アクション場面から、
予告編CMでもチラッと見せている
崖から車ごと飛び落ちる思わず息をのむシーンまでの、
ワクワクするような面白さ!
そりゃあ荒唐無稽な部分も
ストーリー的に無理な部分もいっぱいあります。
中盤は少し中だるみしますし、
最後の、ある物体を引っぱりながらのカーチェイスなんか
物理的にはありえませんし・・・。
だけど、そんなことはどうでもいいってぐらいの、
大物量のカークラッシュで何十台ものパトカーや車や街が
いろんなパターンで破壊されまくるのを観てると、
単純に「あぁこの映画観て良かったぁ」という
映画的興奮と映画的幸福感を味わえます。
第1作で斬新なカーレース、カーアクションに興奮したのですが、
第2作、3作、4作とシリーズが進むにつれ、
そのCGっぽさが目に付いてパワーダウンが否めませんでした。
だけど今回のカークラッシュ、カーアクション部分は
ほとんどが実写でしょう。
(少なくともCGっぽい場面はほとんどありません)
公開前に早くも続篇・第6作の製作が決定したそうです。
そのヒントは最後のエンドロールの途中で明かされますので、
あわてて席を立ってはいけません。
(シリーズを観続けてる人はあっと驚きます)
とにかく映画館の大画面で観るべし。
見逃すと損、とまで言っておきましょう。
タグ :カーアクション
2011年09月26日
これイチ押し!『カマンベールチーズせん』
去年の今頃はじめて食べて感動し、
その後探せども探せども
一度も見つけることができなかった
この幻の『カマンベールチーズせん』を、
今日ファミマで見つけて
すかさず買っちゃいました。
で、今このブログを書き込みながら
食べてみると、やっぱり
うまいっ!
チーズ好き、サラダせんべい好きには
たまらない逸品です。
カマンベールチーズの濃厚で絶妙な甘さ、しょっぱさが
ホント僕の好みの味です。
亀田製菓のHPを見ると、
「コンビニ先行・期間限定」とあります。
興味のある方は、コンビニでこいつを見かけたら
すかさず買うことをお勧めします。
そうしないと僕みたいに
1年間も待つハメになります。
2011年09月19日
えっ?SFじゃないの?『サンクタム』

私、勘違いしておりました。
ジェームズ・キャメロン製作総指揮、3D、そしてダイバーのビジュアルで、
てっきり『アビス』のようなSFだと思い込んでいました。
一言でいうとこの映画は、
巨大洞窟脱出サバイバルアドベンチャーかな。
ストーリーは・・・
うーん、登場人物がみんな自分勝手で、
それによってどんどん人が死に、
人を殺していくので、
誰にも感情移入できません。
傑作『ポセイドン・アドベンチャー』のように
助け合って生き延びようとする、
こういう映画の醍醐味というか感動も少なく、
しかも最後に生き残ったのがたった?人では、
後味も悪いです。
3Dは・・・
うーん、残念ながら
うまく生かされているとは言えません。
ただ1ヶ所、
水面から水中に潜る場面だけ、
こちらも水中メガネ越しに見てるようで、
心の中で小さく「おっ」と思ったぐらいです。
思うにこの監督、
死とか、死人とか、死体とかに、
畏怖の念をあまり持ち合わせてないのでは。
そういう点が多分、
日本人のメンタリティにあまり合わないと思います。
2011年09月15日
映画史に残る名ラストシーン 『愛と青春の旅だち』

WOWOWでたまたま放送していた
『愛と青春の旅だち』を
つい最後まで観てしまった。
やはりリチャード・ギアが若い!
それにしてもこの主人公の、
それまでの人生はけっこう悲惨です。
海軍航空士官養成学校に入学する朝、
ベッドにはぐうたらな父親と娼婦が寝ている。
その父親が海軍の兵曹だった頃、
駐屯地のフィリピンでは彼が13歳の時に
父親の不実をなじって母親が自殺。
そのフィリピンでは娼館に住んでいたと言い、
そこの娼婦たちの口真似を
現在のたった一人の友達にしてみせる。
その友達も、学校のある町の娘に裏切られ、
首吊り自殺する。
「人間はしょせん独りだ。それを悟ればつらさも消える」と言い放ち、
仲間と解け合おうとしない彼を徹底的にしごき、
任意除隊を申請せよと迫る鬼軍曹に対してついに、
極限状態に達した彼は
「ここ以外に行くところがないんだ!」と泣き叫ぶ。
これらのエピソードがあったからこそ、
人を信じられなくなっていて、
おそらく本当の愛も知らなかった彼が、
卒業式のあと、悲惨な人生をも卒業し、
恋人を迎えに行くラストシーンが際立ち、
爽やかで、胸を打つのです。
今そのラストシーンを観返えしてみると、
意外なことに
彼は一言も言葉を発していません。
製紙工場の中を颯爽と歩いていき、
そこで働く彼女の背中にそっと近づいて首筋にキスをして、
驚いて振り向く彼女の顔を引き寄せキスをして抱き上げ、
そしてそのまま、また颯爽と帰っていく・・・。
下手な脚本家はここで小洒落た会話を入れたくなりますが、
名シーンに言葉なんて要りません。
彼らの旅だちに必要なのは、
そうです、あの名曲だけです。
2011年09月12日
意外な拾い物 『探偵はBARにいる』

意外に面白かったです。
意外に主役の大泉洋、
女好きで軟派で正義感でそして時おりシリアスでカッコイイ、
三枚目と二枚目を行った来たりするルパンっぽくて
良かったです。
意外に松田龍平も、妙な存在感があり、
大泉とのコンビネーションもばっちりで
良かったです。
意外に龍平の父・松田優作の『探偵物語』っぽい感じもあります。
だから意外にハードボイルドです。
そして意外にコミカルです。
また意外にバイオレンスです。
意外に悪役の高嶋政伸が気持ち悪くていいです。
意外に札幌ススキノという舞台が新鮮でよかったです。
意外に昭和の香りがします。(狙いかも知れませんが)
意外にどんでん返し!衝撃の結末です。
意外に続編が作られシリーズ化しそうな気がします。
意外に連続TVドラマっていう手もアリかも・・・。
2011年08月27日
原発事故は想定内だった!『ザ・ホワイトハウス』最終シーズン

大好きだったアメリカのTVドラマ『ザ・ホワイトハウス』が、
第7シーズンをもって終了しました。
NHKでは第5シーズンから放送しなくなったし、
僕のまわりで観続けてる人もほとんどいなかったので、
今回書くエピソードも話題にすることはありませんでした。
最終シーズンは、主役であるバートレット大統領の
任期満了に伴う政権の終焉と、
2人の候補(1人はオバマがモデル)の
し烈な次期大統領選挙が平行して描かれます。
この5月にDVDレンタルで、
その第12話「メルトダウンの危機」を観て、
僕はぶっ飛びました。
くれぐれも、このエピソードが、
アメリカでは、5年前の2006年1月に放送され、
日本ではCS放送で2009年10月に放送されたことを念頭において、
少し引用が長くなりますが読んで下さい。
カリフォルニアの原子力発電所が爆発の危機、
という一報がバートレット大統領のもとに入ります。
発電所は、サンアンドレア発電所。
原因は給水ポンプの故障。
原子炉は自動的に停止したが、
冷却水が炉心に注入されないことにより、
燃料棒がむき出しになり、
メルトダウンが起きる可能性が生じた、
というお話です。
以下は、このドラマの中で
バートレット大統領がとった行動です。
①報告を受け、
15分で対応を考え声明を発表できるよう、指示を出す大統領。
大統領 「これからの1時間半の我々の対応でパニックが起きるかどうか決まる。
最初に不安に思ったら、それは消えない」
②全体を指揮する担当者を決めることを進言する首席補佐官、
即座にそれは自分がやると決める大統領。
③21時2分に事故発生、21時19分に報告を受け、21時34分に会見を開く大統領。
大統領 「何が起ころうと我々(連邦政府・州政府)が処理します」
④建物内の圧力が高まり爆発を懸念するスタッフたち。
燃料棒が水素ガスを発生させている、という説明。
⑤情報の発表窓口を
ホワイトハウスの報道官(広報部長)に集中させる対応。
⑥大統領は、並行して、
カザフスタンでの中国とロシアの衝突危機にも対処している。
⑦避難が完了しないうちに、建物内の圧力が限界に近づき、
やむを得ず、水蒸気放出を決断、指示する大統領。
⑧予想に反し安全基準以上の放射線量が計測され、
スタッフはパニック発生を心配するが、大統領は即座に発表を指示。
大統領 「市民に知らせないと」
⑨予備パイプが破損したため、手動でバルブを修理しなければならなくなり、
やむを得ず安全基準の5倍の放射線の中への作業を指示する大統領。
高濃度下での追加作業が発生し、許容時間以上の作業をさせるか否か。
進言できず目を伏せる官僚たち、作業を指示する大統領。
作業員は、放射線障害でひとりが死亡、ひとりが重症。
⑩さらに作業員を送り込まなければならない。
決断の重さに苦悩する大統領、
他に委ねることなく、自分で判断、指示を出す。
この作業で最悪の事態≪メルトダウン≫は回避された。
⑪事故地域で会見を開く大統領。
大統領 「解明には数年かかるかもしれませんが、
わかり次第、包み隠さずお話します。」
というような内容です。
どうです? 驚いたでしょ。
東日本大震災とその後の原発事故が起こる5年も前に、
現実を予言するかのような、
このドラマの製作者たち(脚本家)の着眼点と、
具体的なストーリーの組み立て方の素晴らしさ。
事故が起こる過程とその対処方法のリアリティと、
それを支えるリサーチ能力の高さ。
そしてそれを1話45分の中で
一流のドラマに仕立て上げる確かな演出力。
これだから、アメリカの良質のTVドラマは
あなどれないのです。
確かに今度の大地震や大津波は≪想定外≫だったかも知れませんが、
原発事故自体は≪想定内≫であることを、
このドラマは確実に私たちに教えてくれていたのです。
これを観ると、
いかに菅首相が無能だったか、
いかに国難にあってリーダーシップが重要であるか、
よく分かり、そして菅政権の失敗の本質が見えてきます。
そして今日、その菅首相が正式に退陣表明したことを、
今テレビのニュースで伝えています。

「私自身はやるべきことはやった、このように感じております」
笑い顔で話してます。
こういう人が日本のトップだったのです。
『ザ・ホワイトハウス』の製作者たちやキャストたちは、
この菅首相の薄ら笑いを見て、どう思うでしょうか?
ぜひ聞いてみたいものです。
2011年08月25日
これは超便利!直火ラーメン丼!

とうとう買いました。
直火OKのラーメン丼。
前から欲しくて欲しくて
気に入ったものが見つかるまで、
探し探し求めて
ようやく楽天で見つけましたよ。
これまで見つけても
デザインや色がダサかったり、小さかったり、
100均にも土鍋なんかがあるんですが
あんなのイヤだ!
ちゃんとドンブリの形をしたものがいい!と
ずっと探してたんです。
いいでしょ、これ。
買って以来、一人暮らしの男としては
使いまくりの逸品です。
この丼の良い点は、
①耐熱陶器製で作りもしっかりしていて使いやすいサイズ
②シンプルなデザインだけど高級感があり、色がスミ黒でかっちょいい
③直火だけでなく電子レンジやオーブンでもOK
④料理を鍋から丼に移す手間が無くなる
⑤鍋を洗う手間がなくなり、その分、水の使用量が少なくなるので、エコ。
⑥内側に500ccの目盛りのラインがあるので、それを目安にできる
⑦ラーメンだけでなく、うどんやおでんや煮物や湯豆腐や麻婆豆腐や雑炊などにも使える
⑧意外と容量もたっぷりで深さもあるので、一人鍋もできそう
これで、735円。 安っ!
だけど、沖縄までの送料が、1260円。 高っ!
まあ、下に敷く木台や他に食器をいくつか一緒に買ったので
いいんです。いいんです。
あとはこれに合うフタが欲しいなあ。
100均で探そうっと。
↓ 夏は冷やし中華や、冷たいサラダなんかを入れてもグッドだね。

2011年08月20日
ヤバすぎる映画『ムカデ人間』を君は観る勇気があるか?

グロい映画がダメな人は絶対に読まないでね。
気持ち悪くなります。
この映画のチラシを桜坂劇場で手にした時、
あ然、がく然、目が点となりました。
まず、そのあらすじ・・・
ヨーロッパを旅行中の2人のアメリカ人女性が突然のパンクに見舞われ、一軒の大邸宅に助けを求める。翌朝彼女たちが目覚めると、地下室のベッドに日本人男性(北村昭博)と共に寝かされており、異常事態を察知するが、家の主であるドイツ人男性(ディーター・ラーザー)によって、人間の口と肛門を結合させる“ムカデ人間”の手術が始まろうとしていた・・・。

つまりは上のイラストのように、
3人がつながれるみたいなのです。
しかも3人の先頭が日本人のちんぴらヤクザ、
後ろの2人がアメリカ娘で、
当然先頭の男しかしゃべれませんから、
日本語(しかも関西弁!)で反逆するそうです。
もう発想自体が独創的すぎます。ヤバすぎます。
オランダ・イギリス合作で、
この狂気の博士を演じるのがドイツ人、
国籍もめちゃくちゃですが、
作りは意外としっかりしていて、
真っ当なホラー映画とのこと。
本来なら日本ではこの手の映画はDVDスルーですが、
全世界で話題となり、ネットで盛り上がって急遽公開が決定し、
7月より公開してる東京では一部ファンによって
カルトムービー化してるようです。
沖縄では桜坂劇場で9月10日公開。
観るべきか、観ないでおくべきか。
しかし、間違いなくホラー映画史に残るであろう
このカルトムービーを、映画館で観るチャンスは
もう2度とないかも。
2011年08月17日
ドリトスとピカンテソースがDVD映画鑑賞に欠かせない

最近、DVDで映画を観るときによく食べるもの。
ドリトスのメキシカンタコス味に、
ペースのピカンテソースをディップしたもの。

このサルサソースが絶妙な味で、
トマト、タマネギ、ハラペーニョのみじん切りがけっこう大きくて
それぞれをしっかりと味わうことができ、
マイルド、ミディアム、ホットの3種類の辛さがあって、
僕はこのミディアムをたっぷりとつけて食べます。
夏はこれに、よく冷えたビールか、
クリスタルカイザーの炭酸水・レモンフレーバーがあったら最高。
さて、今日は何を観ようかな。
タグ :グルメ
2011年08月14日
『ぼくのエリ 200歳の少女』ボカシの裏に隠された衝撃の真実

今回はネタばれしてますので、
この映画を観ようと思ってる方は
必ず観たあとに読んで下さい。
現在公開中の『モールス』の
リメイク元の作品とだけ広告で知って興味を持ち、
他には何の予備知識もなく今日観に行きました。
(『モールス』も未見でどんな映画かわかりませんでしたが)
タイトルとポスターからの印象だと、
ボーイ・ミーツ・ガール、
男の子の初恋物語みたいな感じですが、
ある意味それは正解で、そして
ある意味大きく裏切られます。
舞台はストックホルム郊外。
同じスウェーデン映画の『ミレニアム』シリーズのような
北欧独特の静謐で張り詰めたトーンの中、
12歳の少年オスカーのアパートの隣室にある日、
少女エリとその父親らしき男が引っ越して来て、
同じ頃、街では逆さ吊りで血を抜かれるという
残忍な殺人や不可解な失踪事件が起こり始めます。
離婚して母親と二人暮しのオスカーは
学校ではいじめられっ子で孤独です。
実はエリは12歳の少女の姿をしたヴァンパイアで、
お互いのことをまだ知らず孤独な二人は、
少しずつ、恐る恐る、魅かれ合っていきます。
オスカーにとってそれは恋であり、
エリは戸惑いながら「私が女の子じゃなくても?」と
何度も問いかけます。
そこで私たちは、その問いかけの意味を
彼女がヴァンパイアで200歳だからと
思い込んでしまいます。
日本語タイトルもそれを後押ししてます。
エリがヴァンパイアだと知った後、
オスカーはエリを自分の部屋に招き入れます。
血だらけのエリが着替えをしてるところを
オスカーが覗き見した場面で、
一瞬エリの局部のアップが映るのですが、
その三角部分にボカシが入ってます。
もちろん日本の映倫の規定で、少女の局部を出せるはずもなく、
それはそう理解して映画を観終わったのですが・・・。
家に帰ってネットで調べてみると、
原作では実は、
エリは男の子だった!
そのことを、ボカシで隠された部分
<去勢された傷痕>
を見て初めて、
オスカーも映画の観客も理解するのです。
(※「ぼくのエリ」で画像検索するとノーカットの写真が見れます)
このことを知るのと知らないとでは、
この映画に対する印象と
作品としての深さは大きく異なります。
日本の配給会社は、タイトルでミスリードし、
そんな重要な部分にボカシを入れてる以上、
最後にスーパーで説明するなりしないと、
この作品の価値は半減します。
そしてそれこそがこの作品の裏の部分、
ホモセクシャル(同性愛的)なイメージを
大きく浮かび上がらせるのです。
詩情豊かな風景や、
物哀しいけど心に響く音楽もいい。
残酷だけどなぜかすがすがしい
プールでのホラー的なラストもグッド。
DVDレンタルも出てるようなので、
もう一度再確認して、
ハリウッドリメイク版の『モールス』を観たいと思います。
2011年08月07日
『ER』みたいな病院で一度診てもらいたかった

ついに『ER緊急救命室』が、
最終15シーズンをもって終わりました。
半年前にNHK・BSの放送を録りためてあった最後の7話分を、
台風9号が吹き荒れる深夜に一気に観ました。
約15年間観つづけてきて、
なぜすぐに観なかったのか。
正直パワーダウンしていたのは否めなかったし、
終わるのが惜しい気持ちもあったのかもしれません。
でも実は、この最後の7話が面白く、
カーターを中心に昔出ていたキャストたちを次々と登場させて、
ERファンのために実に真っ当に、
この人気シリーズを気持ちよく終わらせてくれます。
一番印象的なエピソードは?といわれたら、
第6シーズンで、カーターと
頑張り屋の医学生ルーシーが患者に刺されて、
カーターが重症を負い、
ERの仲間達の必死の治療の甲斐も無く
ルーシーが死んでしまうエピソードを挙げます。
当時NHKはこのエピソードを、
刺した患者が統合失調症(昔でいう精神分裂症)の設定だったので
放送自粛し、それほどインパクトがありました。
製作者側もおそらく、このエピソードが頭にあったのでしょう、
最終シーズンで同じルーシーという名の、天使のような
小学生の女の子(必死に母親の看病をする)を登場させ、
最終回には、ルーシーを思わせる、
必死に患者のために駆けずり回るジュリアという実習生を、
何のキャラクター説明も無く唐突に出してもいます。
このジュリアがカーターらとともに、
事故にあった妊婦の治療にあたり、
頑張った末、双子を出産させますが、
不幸なことに母親が亡くなってしまいます。
「私には出来ません・・・こんなこと毎日・・・」
そう言って落ち込むジュリアを、ブレナー医師が励まします。
「もちろん出来るさ。人を助けるのが君の仕事だ。
たとえ救えないことがあっても、とにかくベストを尽くす。
そして家に帰り、睡眠をとり、翌日には戻って来て、
また次の人を助けるんだ」
これこそが『ER』の一貫したテーマでした。
2011年08月05日
『エイリアン VS シザーハンズ』 台風9号の中で
台風9号接近で、
映画館も休みだし、
ヒマなので、
こんな写真撮ってみました。

『エイリアン VS シザーハンズ』
ついでに、
『シザーハンズ』の1シーンを再現。

この映画を観た方なら、
思わずニヤリとする1コマでした。
映画館も休みだし、
ヒマなので、
こんな写真撮ってみました。

『エイリアン VS シザーハンズ』
ついでに、
『シザーハンズ』の1シーンを再現。

この映画を観た方なら、
思わずニヤリとする1コマでした。
2011年08月01日
『トランスフォーマー3』の3Dは『アバター』を超えたか?

『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』 3D
確かに欠点もあります。
ヒロインが代わって前2作の女の子ほど魅力がなくなったとか、
ジョン・マルコヴィッチや、フランシス・マクドーマンドなど、
脇役が豪華になったけど、全体的にコメディ的要素が強くて演技が軽すぎるとか、
主人公とその両親との絡みが全然面白くないとか、
主に人間のドラマ部分の展開が強引でツッコミどころ満載です。
しかしそれを補って余りある、3D映像の素晴らしさ!
『アバター』で3D映像の進歩に驚愕し、その夢と可能性が広がったと思いきや、
その後の『アリス・イン・ワンダーランド』や『海猿』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などの、
3Dにする意味まで考えて懐疑的になってしまう作品を見続けていたせいか、
今回もそれほど期待してませんでした。
しかし冒頭、1969年のアポロ11号による人類初の月面着陸を
3Dで再現してくれたところからツカミはOK、
実はその月のダークサイド(地球から見えない裏側)に
不時着したトランスフォーマーの宇宙船の残骸を発見していたことを
アメリカ政府は現在まで極秘にしていた・・・
というところから物語は始まりワクワク。
このシリーズのファンだというジェームズ・キャメロンの大推薦で、
『アバター』の3D撮影システムとスタッフを存分に使って作られたその映像は、
ただただスゴイ!としか言いようがありません。
宇宙やビル群の、奥行きのある『アバター』のような映像に加えて、
前作でも驚いたトランスフォーム(変形)シーンや巨大ロボたちのバトル、
縦横無尽に回転しながら動き回る巨大ミミズのようなメカ、
途中から折れた高層ビルのフロアを斜めに滑り落ちる人間たち、
スカイダイブする兵士たちとその目線、などなど、
タテ、ヨコ、ナナメ、高低差、奥行き、そのすべての構図と動きの、
ド迫力の3Dが、違和感なく堪能できます。
(途中から3Dであることさえ忘れるほどです)
ストーリーについては・・・・・・とやかく言いません。
ただ、何も考えず、身をまかせて、
映画館で、大きいスクリーンで、
映像体験する映画だと思います。
宣伝キャッチコピーでも使われてますが、
最後にジェームズ・キャメロンの一言。
「素晴らしい!この3Dは絶対に観るべきだ!」
2011年07月29日
『結婚の条件』と猫とベーコン指数

すみません。
この映画のストーリーはほとんど覚えてません。
では、なぜここで取り上げたのかというと・・・
昨日、桜坂劇場のブログを見てたら、
子猫の里親募集の話が載ってました。
映画館→子猫
この連想で急に思い出しました!
→ケヴィン・ベーコン→『結婚のナントカ』という映画
ウィキペディアで「ケヴィン・ベーコン」を検索すると、
それは『結婚の条件』で1988年公開。
今から23年前、学生時代に、
今は無きグランドオリオンだったか、
映画館でこの映画を観ていたら、
大きなスクリーンの下の方を
1匹の猫のシルエットがサーッと横切ったのです。
一瞬、映像の一部かとも思いましたが、
ストーリーに全然関係なく、
すぐに本物の猫が横切ったのだと分かりました。
場内はざわつき、笑い声がもれ、
何とも和やかな雰囲気に・・・。
この出来事のおかげで、
この映画とケヴィン・ベーコンは僕に記憶されたのでした。
ついでにウィキペディアのケヴィン・ベーコンの項目を読んでたら、
とても興味深い話が載ってました。
「彼にまつわる有名なゲームで、"Six Degrees of Kevin Bacon"の法則というものがある。俗にベーコン指数(Bacon Index)とも呼ばれている。ケヴィン・ベーコンと共演した人を「No.1」とし、No.1の俳優と共演した人をNo.2とするもので、ほとんどの俳優がNo.3までには入ってしまう。日本人でも、役所広司はNo.2、美輪明宏はNo.3となり、誰でも辿っていくとケヴィン・ベーコンに行きつく。 《中略》 本人もこのゲームが大好きで、2人の子供とよくプレイするという」
さて、ケヴィン・ベーコンと役所広司をつなぐ「No.1」の俳優とは誰でしょう?
答えは「ブラッド・ピット」ですよね。
『スリーパーズ』でケヴィン・ベーコンと、 『バベル』で役所広司と共演。
でも『バベル』では、実際にはブラピと役所は全然絡んでないですけどね。
2011年07月28日
『メメント』をめぐるウソのようなホントの話

今から10年前、当時、国際通りにあった国映館で
その映画は封切られていた。
21世紀になってすぐの少し肌寒い冬の夜だったが、
31歳の若き気鋭の監督、クリストファー・ノーランが作った
今まで観たことのない斬新な映画との前評判につられて、
僕は期待に胸を膨らませて、オールナイト上映の
その映画『メメント』を観始めた。
この映画の主人公は記憶障害によって、
10分間しか記憶を保つことができない。
物語も約10分間のシークエンス毎に過去に逆行してゆく。
その大胆な構成と、全く先の読めない展開に、
ぐいぐい引き込まれていく・・・。
その事件は映画の中盤あたりで起こった。
スクリーンが真っ暗になったまま、
何も映らなくなったのだ。
30秒、40秒、1分、次第に場内がざわついていき、
2分ぐらいたったあたりで腕時計のライトを点けて時間を見てると、
後ろのドアからスタッフらしき男性の声で、
「すみませーん!ただいま停電となっておりますので、
もうしばらくお待ちください!」
非常灯まで消えて、文字通りの真っ暗闇。
それに耐え切れない人たちが、
次々に席を立ち、僕もそれに続いた。
薄暗いロビーに出ると、その向こうの玄関あたりで、
心配顔で外をうかがう映画館のスタッフジャンパーを着た男性と、
制服姿の若い女性スタッフと、4、5人のお客さんがいた。
僕もちょっと外に出てみると、目の前には
不思議な光景が広がっていた。
国際通りの向こう側の電気は点いてるのに、
道路を挟んでこちら側だけが停電していた。
観光客らしき一団が立ち止ってあたりを見回し、
タクシーもスローダウンして運転手が顔を出している。
戻りかけたところで、
ロビーの照明がパッと点いた。
「映画を再開しますので席にお戻りくださーい!」
さっきの男性が声を張り上げた。
明るくなった場内の、元の席に戻り、
すっかりぬるくなった紙コップのコーヒーを飲み干すと、
ゆっくりと照明が落とされていく。
ふと腕時計に目をやると、停電してからちょうど
≪10分間≫経っていた。
映画『メメント』が再開され、
再び主人公の
≪10分間≫の苦悩の物語が始まった。
2011年07月24日
上半期ナンバー1映画は『キック・アス』に決定!

何せ、上のポスターの真ん中にいる11歳の女の子「ヒット・ガール」が、
いろんな武器や技を駆使して大勢の悪党どもを殺しまくりますので、
映画にも道徳観を求める人や、バイオレンスを嫌う方、
小学生ぐらいの娘さんを持つ親御さんにはお勧めしません。
しかし、このヒット・ガールのアクションが
ため息が出るほどカッコイイ。
特にクライマックスの十数分に及ぶアクションは、
ガン捌き、体捌きが最高!
スローモーション、ストロボ、カット割り、音楽などの編集も抜群!
そしてラストの絶体絶命のピンチからの切り抜け方の
ストーリー的な意外性もあって、
僕的には映画史に残るアクションシーンだと思います。
「みんなヒーローが大好きなのに、どうして誰もヒーローになりたがらないの?」
という単純な動機から、何の特殊能力も持たない高校生が、
ネットで買ったコスチュームで街へ出て、
「キック・アス」と名乗って小悪党ども相手にするが、
当然のことながらボコボコにされ続け、
ある時、ヒット・ガールとその父親であるビッグ・ダディが現れ、
彼を助ける・・・というようなストーリー。
キック・アスはコメディ的な役割で、
完全にヒット・ガールに食われてますが、
ラストにちゃんと彼の大きな見せ場があります。
「ビッグ・ダディ」役のニコラス・ケイジも良くて、
アメコミ好きで知られる彼は、
ヒット・ガールの引き立て役であることをよく分かりつつも
きっちりとそのエキセントリックな存在感を示しています。
敵役である犯罪組織のボスを演じている
マーク・ストロングも僕の好きな役者で、
ディカプリオ主演の『ワールド・オブ・ライズ』で
ヨルダン情報局のキレ者の局長役を演じてますが、
これがまた最高にシブくてカリスマ性があってカッコよく
(僕の中では近年の助演ナンバー1です)、
『キック・アス』でも子供相手だって手加減しない
その極悪人ぶりを発揮しています。
ともあれ、この映画の最大の魅力はやっぱりヒット・ガールで、
本国アメリカでも日本でも彼女の人気がすごく高くて、
彼女を中心とした『キック・アス2』の製作も噂されています。
撮影当時、役柄と同じ11歳でヒット・ガールを演じた
クロエ・グレース・モレッツが現在14歳。
彼女が成長する前に、早く撮影されることを願います。
ちなみにこの映画はR15指定だったと思いますが、
2月に映画館で観たとき、斜め後ろに、
父親と中学生とおぼしき女の子の親子が座っていて、
「おいおい大丈夫か、こんな映画観せて・・・」と
気が気じゃなかったことをとても覚えています。