2011年09月15日
映画史に残る名ラストシーン 『愛と青春の旅だち』

WOWOWでたまたま放送していた
『愛と青春の旅だち』を
つい最後まで観てしまった。
やはりリチャード・ギアが若い!
それにしてもこの主人公の、
それまでの人生はけっこう悲惨です。
海軍航空士官養成学校に入学する朝、
ベッドにはぐうたらな父親と娼婦が寝ている。
その父親が海軍の兵曹だった頃、
駐屯地のフィリピンでは彼が13歳の時に
父親の不実をなじって母親が自殺。
そのフィリピンでは娼館に住んでいたと言い、
そこの娼婦たちの口真似を
現在のたった一人の友達にしてみせる。
その友達も、学校のある町の娘に裏切られ、
首吊り自殺する。
「人間はしょせん独りだ。それを悟ればつらさも消える」と言い放ち、
仲間と解け合おうとしない彼を徹底的にしごき、
任意除隊を申請せよと迫る鬼軍曹に対してついに、
極限状態に達した彼は
「ここ以外に行くところがないんだ!」と泣き叫ぶ。
これらのエピソードがあったからこそ、
人を信じられなくなっていて、
おそらく本当の愛も知らなかった彼が、
卒業式のあと、悲惨な人生をも卒業し、
恋人を迎えに行くラストシーンが際立ち、
爽やかで、胸を打つのです。
今そのラストシーンを観返えしてみると、
意外なことに
彼は一言も言葉を発していません。
製紙工場の中を颯爽と歩いていき、
そこで働く彼女の背中にそっと近づいて首筋にキスをして、
驚いて振り向く彼女の顔を引き寄せキスをして抱き上げ、
そしてそのまま、また颯爽と帰っていく・・・。
下手な脚本家はここで小洒落た会話を入れたくなりますが、
名シーンに言葉なんて要りません。
彼らの旅だちに必要なのは、
そうです、あの名曲だけです。
Posted by TURBO2035 at 00:07│Comments(1)
│映画
この記事へのコメント
この映画 1982年でしょうか?陸自に入り2年目、後輩が見に行って エエ映画やったでー❗️海自にしときゃ良かった(笑)(て、幹部候補行けんやろ❗️)と言ってました、シャバに出てからテレビで見ました、ラストで少尉の辞令出たあとの訓練軍曹のケジメのつけた態度が印象的でした、そういや 幹部候補生の方々が部隊実習でしばらく居たときは曹の階級なので少々ナアナアな接し方でしたが 卒業して3等陸尉になって着隊したときは直立不動で敬礼したのを覚えてます。
Posted by カワサキバイク乗りオヤジ at 2023年05月31日 08:30