2011年07月20日
熱帯夜に『グラン・ブルー』で涼しく。

NHK・BSでたまたま放送していた『グラン・ブルー』を
つい最後まで観てしまった。
この映画を観るのは5、6回目くらいだろうか。
リュック・べッソン監督のベストを選べと言われれば、
『レオン』『ニキータ』を差し置いて
この映画が断然ナンバー1となります。
前に住んでたマンションの部屋に、
この映画の超特大のポスター(タテ2mでしかもフランス版)を
貼ってたくらいですから。
無呼吸で何mまで潜れるかというシンプルな競技を通じて、
驚異的な潜水能力を持ったダイバーである主人公ジャックと、
その恋人と、ライバルであるエンゾの3人の物語。
3人とも心に大きな喪失感を抱いています。
エンゾは新記録を出しながらも
結局は絶対にジャックには勝てないという現実に・・・。
恋人のジョアンナはジャックの喪失感が
自分の存在〈愛〉だけでは埋められないほど深いということに・・・。
ジャックの心の闇は、それこそ海の底のように深く大きく、
物語は彼が深く潜っていけば行くほど
その喪失感も深くなっていくという
二重構造になっています。
こう書くと、とても暗い映画のようですが、
全体的に不思議な透明感があり、
ファンタジー的な様相も呈しています。
その理由が、ポスターにも描かれている「イルカ」。
イルカは、ジャックの心の大きな拠り所となっており、
それは、哀しくも美しい、ジャックとイルカとの
ラストシーンへと繋がっていきます。
ジャック役を演じたジャン=マルク・バールは、
ピュアで鮮烈なこの役のイメージがあまりにも強すぎて、
この後良い作品、良い役に恵まれていません。
エンゾを演じるジャン・レノは、
この役で日本でも人気が高まり、
当時ウイスキーのCMにも出てました。
ちなみに、この映画の中の競技大会で
日本人のチームが出てきますが、
みんな同じの大きな日の丸がついた白いユニフォームを着て、
みんなクソ真面目に大きな掛け声をかけ、
潜水する前の深呼吸をしすぎて気絶するという
完全にギャグ的な扱いをされています。
Posted by TURBO2035 at 07:46│Comments(0)
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